京都 大阪旅行編 完結編
五日目 帰還編
五日間の京都・大阪旅行、とうとう帰る日が来た。
長いたびの中、残ったのは僕と成瀬君。
帰還予定時刻は十二時過ぎ、それまでに道頓堀を見に行くことにした。
道頓堀のある難波駅に着くと、早速「かに道楽」「食い倒れ人形」、ワールドカップでユニフォームを着て有名な「グリコ」を見た。
だが道頓堀だけが見当たらなかった。
「ここや」、と成瀬君に言われるまでは…。
そう、僕が立っているところが道頓堀と呼ばれるところだった。
おそらく僕の勝手に作ったイメージが強すぎたため、目の前の道頓堀が見えていなかったのだと思う。
ちょっと拍子抜けしてしまった。
TVで威勢良く飛び込んでいるシーンが、僕の中でしょぼくなった気がした。
もしかしたら見ないほうが良かったかも…。
それからアメリカ村に行きました。
怪しい外人のグループがけっこういました。
成瀬君は呼び込みにしつこく呼び込まれるし。
まぁ、東京じゃ、普通にあることですが…。
成瀬君いわく
「一人じゃ絶対来ない」
だそうです。
アメリカ村をぬけると、僕たちは急いで成瀬宅に帰りました。
ちょっと予定時間を過ぎてしまったので…。
成瀬宅に着くと、急いで帰りの準備をし、成瀬君のおばあさんにあいさつをして帰りました。
↑食い倒れ人形 ↑かに道楽
↑グリコ
10時間乗れますか?
題のとうり、僕たちは十時間、電車を乗り換えながら東京に帰りました。
発射の時間が迫り、新大阪駅まで急いで歩いていたとき、「この電車に乗れなかったら新幹線で帰ろう」と二人で言った。
その時僕の心の中では、「電車、行っててくれたらいいなー」と、思ってしまいました。
しかし、僕らは電車より早くついてしまった。
「…」
これから大阪に来るときより大変な思いをしなければいけないと思うと、気が遠くなった。
青春十八切符が、呪いの切符だとさえ思えたくらいです。
来るときは簡単な乗換えが一回あっただけだが、帰りは何回も乗り換え、そのたびに一生懸命走らなければならないからだ。
しかも来るときは夜中だから寝れたが、帰りは真っ昼間だ、寝れるはずがない。座れる保証もないし。
だが電車に乗らないと帰れないため、イヤでも乗ることになった。
電車の中では、成瀬君も僕もほとんど自分の趣味に走り、あまり会話をしなかった。
僕の場合、あまり会話をする元気がなかったといってもいいのですが…。
途中、電車の乗り換えに余裕があったため駅の外にでて、何か食べられるところを探したのですが、結局マックになってしまいました。
とりあえず二人ともお持ち帰りにして、電車の中で食べました。
京都・大阪旅行の最後の食事がマックというのも今思うとわびしかったような…。
じょじょに東京に近づいてくると、成瀬君が駅に降りて雑誌を買ってきたりして、それを読んで暇をつぶしました。
それでも暇でしたが…。
だがその暇と退屈のおかげで、東京駅に着いたときの開放感は最高でした。
家に着いたときなど、もはや言葉では言いあらわせられません。
そして成瀬君の実家に電話をかけ、お礼と無事つきましたという報告をしました。
最後にもう一度、成瀬君のお父さんとお母さん、本当にありがとうございました。
これにて京都・大阪旅行編を終わりにします。
最後まで読んでくれた皆さんありがとうございました。