京都 大阪旅行編 U
三日目 手塚治虫記念館と休息編
「手塚治虫記念館」へ
三日目は特別で、卒業生の立川君が、昼には帰る予定になっていました。
そしてこの日、比叡山に登ろうということにもなっていました。
しかし昼に帰る立川君が比叡山に登る時間などあるはずがありません。
そこで立川君は、手塚治虫記念館に行くことにしました。
僕もちょっと疲れていたのでそれに便乗させていただきました。
こうして比叡山組みと手塚治虫記念館組みとで分かれました。
比叡山組みは知花君と成瀬君。手塚治虫記念館組みは僕と立川君というように。
僕と立川君は朝食を取り終わると急いで宝塚にある記念館に行きました。何せ立川君には、滞在時間がもう限られていたので…。
最寄り駅の十三駅につくまでに、なんとなく店の中を何件か覗いて歩いていたら、まだ朝だというのにおっさん方が酒を飲みまくっていました。
「こいつらまさか昨日の夜から…」
さまざまな事を二人で考えました。
電車に乗ると、行き先が手塚治虫記念館ということもあり、マンガの話などで盛り上がりました。
宝塚に着くと、今度は何か訴えをしていたのですが、その声の方向に目をやると、誰もいませんでした。変わりに蓄音機とラジカセが置いてあって、エンドレスで回っていました。
「さすが大阪、合理的だ」
これが僕と立川君の意見です。
手塚治虫記念館につくと、最初に手塚治虫について書いてある資料を見ました。
そして手塚治虫の書いた作品の年表などを見、四月から始まる「アストロボーイ 鉄腕アトム」の情報を見ました。
ここで僕と立川君は、アトムについていろいろ言い始めました。
「なんで息子の代わりに作ったロボットに10万馬力もつけたんだよ。それにこいつ手に仕込み銃つけてるぞ」
とか
「アトムを捨てたのって成長しないからじゃなくて、10万馬力もあるアトムに最近の親みたいに子供が強くて何もいえない、みたいな状況になったからじゃねーの」
とか
「原子炉かよ、こいつ自爆装置とかついてんじゃん。本当に子供代わりに作ったロボットかよ」
とか、アトムが食べたものをおなかから取り出すことを知って
「こいつ尻がおなかにあるのかよ」
などです。
あの時いたお子様方、大変申し訳ありませんでした。
そして僕と立川君は別れるまで、手塚治虫について話し続けました。
さまよう僕2 目指せ成瀬宅(書き方が少し違います)
立川君と別れた後、僕は成瀬君の家の最寄り駅の十三に降りた。
駅から出ると、自分の方向音痴を知りながら、十三を散策しようと思った。
ただひたすらにまっすぐ商店街を歩いた。まっすぐ歩けば迷わないと思ったからだ。
途中、たこ焼きのおいしそうな匂いに敗北し、思わず買ってしまった。
大阪にきてから何回たこ焼きを食べただろうか。
「ハフハフ…」
たこ焼きはおいしいが、メチャクチャ熱かった。舌がひりひりする。
もう少し進むと、変な映画を上映している映画館などがでてきた。
「なんじゃここはー」
しかし、周りを歩いている人はたいして変わらない。
親子連れから小学生、女子高生まで変わらずに普通に歩いていた。
(なんつうところだ…)
急いで引き返した。
「なんでこんないきなり雰囲気が変わるかなー」
駅に戻ると、時間は午後一時を過ぎていた。
そこで今度は手ごろな店を探し始めた。方向音痴のくせに。
「うーん」
どの店も、酔っ払いでいっぱいだった。
しかたなく、値段がメチャクチャ安いラーメン屋に入った。
入った次の瞬間自分の目を疑った。ラーメン屋の店主が、携帯でメールを打っているのだ。
「…」
まぁ気にせずにラーメンを頼むと、数分後に出てきた。
ラーメンを見たら、これまたちょっと…。値段どうりのラーメンだった。
「ま、しかたがないか」
食してみると、味も値段どうりだった。
店を出ると、さすがに疲れてきたので帰ることにした。
来た道を忠実に自分では戻っているつもりで歩き出した。
大通りにでた。
「来た道ってここだったかな」
しばらく歩くと道の名前を発見した。
見事にはずれだった。
急いで駅まで戻って、今度こそと言ういきおいで記憶をたどって歩いた。途中八百屋のおばちゃんに道を聞いたりして…。
そしてついに出た淀川通り。
来た道が淀川通りだったと思ったので歩いてみたが、一向に目印のファミレスが見えない。
「…あってるのかな?」
疑心に負け、引き返してしまった。
「どうやってきたっけ…」
とりあえず家の方向目指して適当に歩いてみた。しかし四天王寺のようにはいかなかった。
数十分後、かんねんして成瀬君のお母さんに電話をかけた。
(電話番号聞いておいてよかったー)
電話の結果、来た道は淀川通りであっていた。
「ひょっとして引き返さなければついていた?」
急いで淀川通りに出ると、目の前に交番があったため、念のため聞いてみた。
「すみません」
「なに」
「…あの、ここ淀川通りですか」
「ああ」
「このまま進むとファミレスありますか」
「そうそう」
なんかおまわりさんの顔が、さっさと行けというような感じだった。
「…ありがとうございました」
お礼を言うと、交番を後に歩き出した。
しかしあまり親切な交番ではないと思った。僕はしょっちゅう道に迷う。その結果、知らない駅などに行くと、駅前の交番でよくたずねるようになっていた。たいていのおまわりさんはニコニコしながら親切に道を教えてくれる。その経験から、親切じゃないと思ってしまったのかもしれない。
だが、おまわりさんはいい加減な方向を教えたわけではなかった。
「ファミレスだ」
成瀬君の家は近いと思ったが、どこで曲がるかがいまいち思い出せない。
[ファミコン]と書かれた看板を発見した。
はじめてきたときかなんかに見た看板だ。いまどき珍しい文字が書いてあったため覚えていた。
「ここを曲がるんだ」
その後見事に成瀬君の家に着いた。
長いたびだった。
帰ってきた成瀬君のお父さん
成瀬君のうちについた僕は、少しくつろいでいました。
成瀬君のお母さんと会話をしていると、成瀬君のお父さんが帰ってきて、お母さんに紹介され、あいさつをしました。
それからお父さん、お母さんと会話をした後、少し休ませてもらうことにしました。
隣の家(僕らの泊まっている家)に行くとさっさと布団に入り、アニメソングを聞きながら寝ました。
しばらくして、携帯電話の振動音で目が覚めでたら、成瀬君のお母さんからでした。
僕は寝るために家の鍵をかけてしまい、その結果僕と連絡不能の状態になってしまっていたのです。
後で聞いた話によると、成瀬君たちからもかかってきていたらしい。(スマン)
電話の内容は、食事に行こうということでした。
このことを伝えるのに成瀬君のお母さんたちは、相当苦労したと聞きました。(本当にごめんなさい)
こうして僕は、成瀬君のお父さんとお母さんに連れられて、近所の焼肉屋に行きました。
焼肉屋では、注文はほとんどおまかせしました。焼肉屋には、あまりいったことがなかったので。
ここでは学校のことなどを話したりしました。神崎先生や見上先生のことなどを。
かんじんの成瀬君の話題は少なかったような…。
食事が終わり、レジに行くと「いくら払えばいいですか」と成瀬君のお母さんに聞くと、払わなくていいと言われました。
「う〜ん」
いいのか悪いのかわからないが、おごってもらうことにしました。(ありがとうございました)
その後、成瀬君たちも帰ってきて一息つくと、知花君と成瀬君のお父さんが話し始めました。
どうやら沖縄について話していたようですが、僕は沖縄についてほとんど知らないので、言っていることがあまり理解できませんでしたが。
話が終ると、隣の家に戻り、銭湯に行く準備をしました。この時知花君は、こっちで会う予定の友達と、いつ会うかということで悩んでいたようでした。
銭湯に行ったあとは、部屋に戻って僕はさっさと寝ようとしました。しかし他の二人は元気で、「もう少し付き合えよー」などと言ってきたので少しお菓子を食べてから寝ました。
(注)今回はカメラを一台も持たずに行動したため写真がありません