出会い編
”ふれあいタイツアー”
まさにその名の通りでした。
僕は、このツアーで二人のタイ人と特に仲良くなりました。
二人はピサヌロークというタイの田舎町にある
ナレーソアン大学 日本語科の学生で
このふれあいタイツアーの協力者でした。
1人は女性、もう1人は青年です。
といっても、最初は女性のほうと仲良くなり
青年のほうは、この女性と話していると
常にどこからともなく現れて、会話に入ってくる感じで
そうしている内に仲良くなりました。
まぁ、仲良くなった経緯は結構間抜けではあるが。
女性と話していて、青年が現れ
女性が
「彼はエッチです」
と言い
僕が青年に
「エッチなの?」
と聞いたら、青年が
「違います」
と言いながら
辞書みたいのに載っている変な言葉を見せてきた。
そこで僕が
「エッチなのはいけないと思います」
と、一部の人なら元ネタが簡単にわかる言葉を発しました。
さらに女性と二人で
「エッチな本は家で読んだほうがいいよ」
とか
「お母さんにはばれないようにね」
など、追い討ちをかけているうちに
何故か三人仲良くなりました。
この日がツアー二日目。
三日目は
スコータイにバン(車)でいきました。
女性のほうは別のバンでしたが
青年のほうが同じバンでした。
そこで青年にいろいろ質問していたら
何故か話題がその女性のことになり
いろいろつっこんでみると
メチャクチャ照れていました。
両手で顔を隠したりして。
でも、なにげにうれしそうだったな。
そこで僕は
「そんなに好きなら告白しよう」
と言い出し、嫌がる青年に
「灯篭流しって、一緒に流すと幸せになれるんだろ。チャンスだ」
と言った。
なぜこんな無茶なことを言ったかというと
二人は去年
”恋人ができますようにと”
一緒に願いに来ていたりしていたからだ。
それだけの仲なら
今度は二人で流したらと言う発想に行き着いたのだ。
スコータイに着くと
最初に遺跡に行き
そこで青年は女性を誘い
僕にツーショットを撮ってくれと言ってきた。
まぁ、かなり強引な誘い方だが
写真写りはよかったし
まぁ、いいかと思った。
それから公園のようなところを一回りしだしたのだが
青年は背が高かったので
チーさんと一緒に先頭で旗を持っていた。
そのため僕はその女性やアカバンと話しをしていた。
その時、女性に
「広田さんは明るい人ですね」
と言われ、かなり戸惑いました。
そこで僕は
「本当はメチャクチャ暗いよ」
と女性に言った。
実際暗いからね。
まぁ、あまり信じてもらえなかったいみたいだけど。
公園を一周すると
次はレストランに行き、のんびり食事をしました。
結構うまかったです。
その後レストランのトイレに行ったのだが
なんと水道から水が出なかった……。
なんか蛇口をひねると
水道の根本の部分が回るのだ。
ピンチ。
だがどうすることもできないので
そこにいる男共は皆、手を洗わずにでた。
まぁ、僕はウェットティッシュを借りてふきましたが……。
それからお祭りを見ました。
凄い規模のお祭りでした
迷ったら帰れなくなりそうなほどの……。
そこで見た、ショーのようなものはなかなか面白かったです。
確か王朝かなんかの物語だったと思いますが
女性と青年に教えてもらいながら見ていました。
そしてやってきました灯篭流し。
最初は流す気はなかったのだが
その場の雰囲気で流すことにしました。
そして自分のが買い終わると
僕は青年に
「彼女と一緒に流すんだ」
「玉砕覚悟」
「当たって砕けろ」
など
日本語科の生徒でもあまりよくわからないだろーなー
と、思われる単語を使い、誘うようにけしかけた。
そして青年は覚悟を決め
女性を誘いに行った。
その光景を見守っていたのだが
僕の中で一言、言葉が出た
(あ、砕けた……)
スマン、青年よ。
しかもその後、女性に
「私が彼と付き合うことはないでしょう」
と、一言いわました。
……う〜ん、複雑な心境
だが、その後も三人の関係に特に変わったところはなく
楽しく過ごしました。
それから灯篭を流したのですが
何故かナルチェリンが
女性と1つの灯篭を流していた。
[二人で流すと幸せになれる]
う〜ん。
ま、いっか。
ナルチェリンの人生だし。
気分はメチャクチャ気楽でした。
ただ、見事に玉砕した青年の灯篭流しは
なにげに見ていて心苦しかった。
一言
「今年も1人か」
みたいなことをつぶやいていたし……。
すべての灯篭が流し終わると
バンに戻り、一路ピサヌロークに帰りました。
バンの中では僕は完全に寝こけてしまい
青年からプレゼントをもらったのだが
寝ぼけていたため何も言えなかった。
だからここでいうね
「ありがとう」
それから学生達と別れホテルへ帰りました。
面白かったなー。
四日目
昼食を川に浮いているレストランで食べ
ワットヤイというお寺に行きました。
正座して仏像に3回頭を下げると
おみくじをしました。
しかしなかなか一本だけ出せなかった。
そのため青年に手本を見せてもらい
何とか一本だけひくことができました。
あのおみくじなかなか難しいぞ……。
そして引いた番号の紙をもらうと
僕のくじは全般的によかった。
青年とアカバンは
なぜか恋愛運だけが悪く、ほかはかなりよかった。
アカバンはそれほど気にしていなかったが
青年はかなりガクッときていた。
そのため運が悪かった人用の、
魔よけの箱のようなものがあったため
そこに入れればと言った。
青年はそうとう悩んでいた。
恋愛以外は本当によかったらしい。
だが、結局入れなかった。
それでよかったのか、青年よ。
肝心の恋愛運だぞ、恋愛。
その後は
タイの学生とともに料理教室
+
お別れ会。
この時僕は
睡眠不足と疲労感でそうとうまいっていた。
そんな僕を見て女性が
「今日の広田さんは明るくないですね。眠いんですか」
と聞いてきたので
「まぁね」
と、少し笑顔で答えた。
あの時はマジで眠かった。
毎夜、アカバンと遅くまでオタク的話をしていたから。
それからしばらくして料理タイム。
みんなかなりハイテンションだった。
そのテンションにつられ
僕も残りの体力を使い
楽しく過ごした。
最後にはタイ語のカラオケまで出てきた。
言っている意味がわからんが
青年が歌いまくっていた。
あれはなにげにマイクを持ったらはなさないタイプだ。
疲れなど吹っ飛ぶとても面白い空間だった。
そして別れのとき。
もっていった日本の本などをプレゼントし
終わった。
別れ際にはタイ人がすごく純粋なんだなと思った。
みんな別れに涙を流していたからだ。
僕は別れに涙など流したことがないから
そういう場面は苦手だ。
常に分かれたらまた1に戻るだけと言う考えだったから。
特にひきこもった後はそう思うようになった。
最初に、一人に戻るだけだと。
でも、そんな僕の感覚を揺るがすほど
その空間がとてもいいものに思えた。
そして学生と別れた後は
「ふぅ、タイツアーもこれで終わりか」
と、思いました。
でもそれは錯覚。
この後なにげにバンコクがあったりするのだ。
でも僕の中ではここでタイツアーが終わったような気がした。
それだけの充実感があった。
本当にふれあいタイツアーはよかった。
次回も暇だったら参加してもいいかなと思った。
できればまた客として。
て、あまいか。
ナルチェリン、小高マン、チーさんありがとう。
バンコク編に続く?