「やっても、できなかった日々」
上田学園の授業はかなりハードだった。
一晩徹夜してもできない授業もあった。
すなおに「もうダメだ」と思うときもあった。
でも横を見ると同じくダメだと徹夜をしている仲間がいた。
基本的に負けず嫌いなので、そういう人間がいると意地になる自分がいた。
「負けたくない」
それだけだった。
しかしまったくできない日は資料があってもまとまらず、ジ・エンドだった。
そういう日は授業に出るのがつらいかった。
まわりは結構まとめているのに自分はほとんどできていない。
実際パンク寸前まで考えたが、ダメでした……。
悔しかった。
それでも逃げたくなかった。
逃げたら負けだと思った。
だからこころの中で思った。
「やらなかったんじゃない、できなかったんだ」。
散々考えて、前日は徹夜をしてまでやった。必死だった。
その事実が「できていない」という悔しさを何とか支えてくれた。
しかしそう開き直っても悔しいものは悔しい。
そのため次の日は、資料のありそうなところに速攻でとりに行った。
そんな日の繰り返しだった。
いつも「できない」「できない」「できない」の繰り返しだった。
それでも授業に出るようにしていた。
極力「やらない」はなしにしようとした。
いつか「できない」が「できる」に変わると信じてやり続けた。
結果としては今でもできないことがほとんどだが、何もしなかった頃よりはできるようなった。
普通に生きていたらしないような経験もしたし、
生涯行きたくないと思っていた海外にも何回も行った。
意味不明な企画をいくつも考えた。
ただひたすらに「やらないと」「やらないと」と思いながら、わけの分からない速度で3年半が過ぎていった。
その間にゲームの腕が死ぬほど下がりちょっと悲しかったが、それでもやれることがかなり増えた。
考え方も「机上の空論」から現実味が出てきて、頭のなかだけではダメなんだと気づくことができた。
アニメに対してもそういう考えをするようになった。
結果今のアニメのダメダメさに気づき、萌えに批判的になってしまったが、それが現実なんだと思い知った。
そのためこれからは社会についていろいろ勉強しようと思う。
世の中のことを知らなければ、よいものは何も作れないから。
だからこれからも「できないこと」や「嫌いなことも」も必死でやって、「できること」を増やしていきたいと思う。