H15. 8. 5 思い出話 無くしてしまった好きな本 無くしてしまった好きな本があります。あまり前の話なので本のタイトルを忘れてしまっていて、探すのが難しいです。児童向けのファンタジーで、面白いと言うより奇妙な話をいくつも集めたものでした。作者はバラバラだったかな? 本当に好きな話はその中で1つだけで、しかも1番短い、それこそ2〜3ページに収まってしまうほどの超小型ストーリーでした。お話のタイトルは確か「生き急ぐ」だったはずです。 「生き急ぐ」はまったく荒唐無稽なストーリーで、タイトルの通り、ものすごい勢いで急いで生きて、あっという間に死んでしまう人の話でした。本を無くしたのが何年も前なので、細部は忘れてしまいましたが、イメージとしては大体こんな感じでした。 お母さんのお腹にいるころから急いでいて、生まれた時にはすでに立って歩いて言葉をしゃべり、ご飯は作る前に食べ終わって満腹になり、他の人の何倍ものスピードで成長し、オリンピックに出場できるほど足が速かったが「よーい、どん!」の合図が待ちきれず走ってしまうので出場できず、バスの運転手の仕事に就くが、バス停に止まるのが嫌で町の端から端まで走ってしまってクビになり、陸上の短距離選手の女性と知り合ったその日の夕方には教会に駆け込んで結婚し、もの凄いスピードで老化し、火葬をする前にすでに灰になっていた。 大体こんなふうな話でした。私の覚えてるストーリーはかなり違ってる気がしますが、雰囲気としてはこんな感じだったと思います。特徴はもちろん「ご飯は作る前に食べ終わり」「火葬をする前にすでに灰になっていた」というふうな、そもそも文章として成り立っていない、解釈の全く出来ない書き方です。さっぱり何のことか分からなくてつまらないと思われる方もいらっしゃるでしょうが、私はこれが大好きでした。笑い転げながら何度も読んだのを覚えています。友達にも読ませたのですが、一緒に笑い転げてくれた人と、何が面白いのか分からないという顔をしていた人がそれぞれいました。 時々ふと思い出して読みたくなるのですが、本自体のタイトルを忘れてしまっているので探せません。 もしどなたか本のタイトルの分かる方がいらっしゃいましたら、お教え頂けるとうれしいです。 |