いつも怒鳴ってしまうヒロポンに
「こらー広田!お前はクリ吉の宿題やったのかー」
「まだ、やっていない」
「いつやるんだ」
「今日の夜か明日。でも疲れた。眠い。」
「何で日曜とか土曜日にしないんだ?」
「日曜は研修の準備があるし。土曜日は疲れて・・・」
ここ最近繰り返されるこの会話。それもこの会話はこの教科に限ったことでない。他の教科でも同じ会話を交わす。
もちろんヒロポンを脅しているわけではない。今までの自分の経験上なるべく時間が掛からない宿題は前日やるより数日前に終わらした方がいいということをヒロポンにアドバイスしているだけなのだ。
オレはそれを今年卒業した成瀬を見ていて教訓にした。
成瀬は卒業する前の1年間研修をしていた。研修をすると1日以上の時間が研修のためになくなる。ということは今までのペースで宿題をやっていたら、全ての宿題を終わらすことができなくなる。何か削ってその分を宿題の時間に当てなければならない。でも成瀬はしばらくそのことはせずにいつもカクン、カクンしながら宿題提出日の前日にやっていた。次の日宿題ができずに怒られるか、授業中カクン、カクンして怒られるかだった(卒業前にはできるようになった)。成瀬の時は幸か不幸か上田学園には研修をやっている人は誰もいなかった。しかしオレはそれを見て成瀬を批判するのではなく、成瀬から学ぼうと思ったのだ。そして今のヒロポンからも学ぼうとしているんだけどね。
オレだって来年研修をする可能性がある。今のうちになるべく研修に時間がとられても宿題がこなせるようにしとかなきゃならない。
数ヶ月まで成瀬と一緒に暮らしていたのだから、ヒロポンも学ぼうよ成瀬から。他の事も。そしてお互いもっと進歩しようじゃないか。
おぎわらべやに行く
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