祝!卒業生結婚第一号 沖縄レポート Before → After → 先週の土曜日の早朝、といっても3時〜4時ごろだが、僕はあわただしく荷物を詰め込んでいた。大急ぎで宿題を終わらせたあと、5時発のバスに乗らなければならないので焦った。となりでは同居人のナルポコが沖縄で結婚することになったノロタ君に自分の好きなCDをプレゼントしようと色々準備していた。CDは友川かずきで、「生きてるって言ってみろ」が収録されているものだったが、結婚式のお祝いに友川かずきをあげるヤツはあんまりいないだろうな。 羽田でトラブルがあった。 不審者が構内に侵入した可能性があるというアナウンスが流れて、飛行機が飛ばないのだ。空港の搭乗口にTVが置かれていて、羽田空港のシーンが映されてすでにニュースになっていた。なにしろ台風3号が近づいているので飛ばないのだと思ったら、こんなことで飛ばないなんて!
40分ほど待たされた後、ようやく出発することができた。不審者は捕まったのだろうか? 那覇空港でバスに乗り、1時間半でようやく読谷村に到着した。バス停からタクシーに乗り、近所のスーパーマーケットでゴーヤ弁当を買ってホテルで食べることになった。ゴーヤがたっぷり入っていてクソ苦かったが、苦い苦いと言っているとそりゃ沖縄だからしょうがないよと注意されてしまった。 ホテルの部屋は6人部屋で僕も含めて3人で使うことになっていた。窓から沖縄の海が一面に広がっているが、台風3号が近づいているので曇っていて荒れている。3人のうち1人は僕の知らない女の子で、同じく結婚式に出席することになっていた。 僕はノロタ君の性格からして、アボリジニーがいっぱい並んでいる洞窟の中でお香がいっぱい焚かれて、インド人の蛇使いとか笑うとヤニで黄色くなった歯が並んでいるアラブの宗教家だとかそんな人たちに囲まれて、曼荼羅が敷かれた地面にアジアンチックな幻覚色のカラフルな衣装で登場するのかと想像していた。
実際には万座リゾートビーチホテルの敷地に立っている貝殻のような結婚式場でノロタ君の結婚式が行われた。そこは中に入ると窓一面に海が広がり、ロマンチックというかドラマチックな演出が施されている場所で、僕の想像からかけ離れたものだった。
そしてタキシード姿のノロタがひとり登場すると、会場から一斉に笑いが漏れた。 結婚式に登場するだけで笑いをとってしまった。そして新婦のお父さんが新婦と腕組みして現れた。お父さんは足が短くて、なかなか新婦と歩調が合わないため、影に隠れて指示をしているシスターに注意されてそわそわしていた。だが会場内からすでに泣き声がしくしく聴こえてなんか僕の苦手な雰囲気になりつつあった。 ノロタ君のお嫁さんはなんというか、美女と野獣というか、清楚な感じのする落ち着いた女性であった。ウェディングドレス姿でどこか緊張した引き締まった顔つきをしていた。
ドイツ人の神父がすばらしく格好いいドイツ語の発音とともに、あまりよろしくない日本語で幸せになれだとか、汝は誓いマスカ?などということをブツブツ唱えていたが、紙に書いてある「高慢」という言葉を「たかまん」と発音しているのを僕は見逃さなかった。ドイツ語だけで発音すればかっこいいのにねぇ。
キャンドルを付け、誓いのキスをし、新郎新婦のお父さんがなにやら挨拶をし、新郎新婦が退場した。本当ならこれで結婚式は終わりなのだが、「撮影のための」再入場がはじまったのだった。実はさっきの結婚式では専属のキャメラマンとビデオ撮影の人が付きっ切りで撮影し、会場内には3つの固定カメラが設置され、扉の向こうには編集室のようなモニタのずらりとならんだ部屋があった。
最近の結婚式というのは、演出が凄いなあと思った。あとで結婚式は沖縄の観光資源になっていると聞いてびっくりしたけど、かなり力を入れている。ついでにレーザー光線とかバックダンサーとか入れてみたらどうなるんだろうか?
その後、僕らは退場し、ライスシャワーの準備をするために両側に並んだ。すでに台風3号が近づいてきていて、物凄い風が吹き付けて、ドレスを着た女の子たちがスカートを抑えていた。ライスシャワーというから米でも撒くのかと思ったら花びらを手に渡された。2人が登場し、思いっきり花びらを振りかけられて外に歩いてきた。僕は何回かシャッターを押したが、上手く撮れなかった。台風がひどいので2人はすぐ教会に逆戻り。その後、家族でワインを飲み、結婚式は終了した。
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